「雨のうち晴れ」
今日はあいにくの雨。
野球の練習試合も3回の表の途中で終わった。
山本はバス停でバスを待っていた。
「早くこないかなー・・・。」そんな事を思いながら待っていると1匹の猫が擦り寄ってきた。
まだ子猫・・・だろうか?すこしやせている。あいにく猫に食べさせるものがないな・・・・。
っと思い、1回だけ撫でてあげた。
すると猫はもっと撫でて!っと言わんばかりによってくる。
「うーん・・・;」
そうもしているうちにバスがやって来た。
だが猫はまだ山本の足にくっついている。
運転手さんが山本の前に下りてきた。
「乗るのかね・・?」
「あ・・・っは・・・はい。」
っといっても猫がなついている。
「あの・・やっぱりいいです。すみません」
山本は運転手さんに頭を下げ、猫を抱き上げて走った。
「ったく〜・・・。」
山本は猫を道にそっと置いた。
「もう、こっちの世界にきちゃ駄目だぞ?」
猫はうるうるした目でこちらをみる。
その姿にはぐっとくる・・・。
「うーん・・・じゃぁ、ちょっとコンビニで何か買ってくるから、ここで良い子にしてろよ?」
山本は猫の頭をそっとなでてコンビニに走った。
「猫といえば煮干かな・・いや、でも牛乳・・・?」
うーん・・・どっちも買っておくか。
っと牛乳に手をかけたとき聞きなれた声がした。
「あれ?山本・・・?」
「ツナ・・。」
ツナは傘を折りたたみ、こっちにやってきた。
「どうしたの?雨でびっしょりじゃん。っというか・・・煮干と牛乳・・・?」
ツナはカゴをみて疑問に思った。
「あ、実はな・・・。」
ツナは山本の話を聞いて笑い出した。
「な・・・なにがおかしいんだよ!」
山本は顔を赤くしながらツナにいう。
ツナは必死に笑うのをこらえながら「だって、山本らしかったから。」
-俺らしい・・・・?-
何がだろう・・・。普通だと思うんだけどなー・・・。
ツナは牛乳を山本のカゴにもう一個入れた。
「ねぇその猫俺も見て良い?」
「・・・・あ・・・あぁ。」
ということで二人は一緒にその猫のところに行った。
猫は喜んでツナを迎えた。
「はは、すんごくかわいいじゃん。まだ子猫・・?」
「あぁ・・・。多分親元から離れちゃったんだろうな。」
ツナは猫の頭をよしよしっとなでてやった。
しばらくとても心地良い時間が流れた。
外を見上げるとだんだん日差しが出てきた。
「・・・帰るか。」
「うん。」
二人はそういい立ち上がった。
猫はそれに気がついたのか悲しそうな目で見つめていた。
山本は猫を撫でると「気をつけろよ・・?」っと言い、その場を離れた。
「ありがとう・・・。」
「ん・・?」
山本は後ろを振り返った。猫はじっとこちらを見ている。
(またな・・・)
山本は猫に向けて大きく手を振った。
ツナも山本と一緒に手を振った。
太陽がきっとぬれた子猫に優しい光を差し出してくれるだろう。
「ねぇ山本。」
「どした?」
「・・・生まれ変わったら、俺猫になりたいな。」
「なんで・・・?」
「そしたら山本に撫でられるし・・・」
「・・・え・・?」
やわらかい風が二人を包み込んだ。
その日は雨のうち晴れ-・・・・
*あとがき*
山本月刊さんの所に出したい思いで急いで書いてしまった小説。
雨上がりを歩こうをイメージしたのですが・・・;;
山本はきっと猫を助けてくれる!っと思い書きました。
070610 春日ソラ